四国に友人を拉致した話。

こんにちは。しらいちです。

 

2020年の6月、コロナ真っ只中の時の話です。

 

「四国旅行をしよう。」

 

2020年といえば4月5月は全国的に緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出を控えるように政府が声を上げており、社会全体が不安に満ちていた、というのは記憶にあるとかと思います。

その間にも、僕は都心でバイトをしていたのでした。バイトには、僕をディズニーに拉致をした先輩A(仮称)がいました。趣味の話で花が咲くような関係だったので、旅行の計画を練ることに。共通の知り合いが大学を卒業して四国へ行ったことだし、、、ということで四国へ行くことが決まってしまいました。

2人だけだと寂しいので、もう一人。ということでB氏(仮称)を誘うことに。

しかしながら、

B氏「旅行をするなら日帰りで。県(神奈川)を跨ぐ移動はNG。」

条件が付きました。これでは四国へ連れていくことができません。

どうしたものかと思案しつつ、1泊だけはさせてもらえることに。そしてさらに計画を練ることになります。

 

ここで、B氏は全く四国へ連れていかれるとは思っていません。(重要)

もちろん、我々も行き先を伝えていません。

 

いかに四国へ行くことを勘付かれないかを重点的に考え、行程を練ることに。

いくつか四国入りの行程を検討しました。

・まっすぐ飛行機で四国へ。←面白みに欠ける

・夜行バスで四国←つらい

サンライズで四国←悪くないけど、これじゃない感

まっすぐ行くと、ストップがかって引き返さざるを得ない、という懸念が生じたため、数段仕込みでストップがかからないように行程を組むことに。それが下の通り。

<ざっくりとした行程>

神奈川県某所(B氏お迎え)→(車)→羽田空港→(飛行機)→関西空港→(鉄道)→和歌山市(宿)→(タクシー)→和歌山港→(フェリー)→徳島港→四国

移動界隈では和歌山から徳島へ抜けるのは王道のルートですが、B氏は移動初心者。和歌山を発つまでは四国へ向かっていると勘付くことはないはずです。

 

そして、当日。

彼を神奈川県某所へ迎えに行くことに。

ウキウキしていますね。そのまま多摩川を渡り、

「県は跨いでない。跨いだのは県と都」

などと言い訳をしながら羽田空港へ。

 

空港近くのレンタカー店に車を返却。

B氏は何かおかしい、、、と勘付いたかもしれません。なにせ、これから泊りのお出かけするのに車を返却したのですから。1泊ならば、車を借りて移動するのが妥当です。ここから大きな移動はありえない、と思うはずです。我々は空港行きの送迎バスに乗車。もちろんB氏は成すがままに乗せられてしまいます。

 

そして空港着。

 

時間も20時を回っており、腹ごしらえをしたいね、ということでお店探し。

空港は人も全くおらず、伽藍堂。開いている店のほうが珍しい状態でした。

そのなかで開いていたのがうどんやそばを提供する店でした。

僕とA氏はそばを、B氏はうどんを食すことに。

ここにも何もわかっていないB氏の様子が垣間見えます。

 

食事をして、気分がよくなったところで我々は空港のベンチで休みます。

その隙に、A氏が航空券を発券しにカウンターへ向かいます。

 

B氏「?????????」

 

チケットを渡されたB氏は唖然とした表情を浮かべていました。とは言えど、飛び立つ先は関空。B氏は関空を利用したことがあったようで、少し安堵していたのかもしれません。これから四国へ連れていかれるというのに…。

ということで、搭乗。離陸、着陸、関空着。

実はこの段階で、B氏はどこに泊まるかすらも把握していません。神奈川を発ち、羽田、関空へと連れて来られ、南海線(B氏はどこを走っているか知らない)に乗せられ、泉佐野(B氏はどこにある駅なのか知らない)で乗換え、和歌山市(B氏は和歌山ということだけ知っている)で下車。

そんな中、僕とA氏は古い列車に乗れたことにウキウキしているのでした。

なぜ和歌山なのか、これからどこへ向かうのか、翌日はちゃんと帰ることができるのか、B氏は全く状況が掴めなかったはず。我々はこのまま和歌山で投宿し、B氏は不安を抱えたまま眠りについたようです。

 

つづく。